— Chapter 03 —
子どもの矯正
お子さん、お口を開いていませんか?
——歯並びは、口腔機能と深く関わっています。
歯並びと「お口の機能」は、ひとつづき
当院では、お子さまの矯正をご相談いただくとき、歯並びそのものよりも先に「お口の機能」 を見させていただくことがあります。
たとえば——普段、お口を開けていないか。口呼吸になっていないか。舌の位置はどこにあるか。飲み込み方や姿勢はどうか。これらは、すべて歯並びの形成に関わってくる大切な要素です。
🌬️ 鼻は「一台四役の超高性能フィルター&エアコン」
鼻呼吸には、異物のフィルター・空気の温度湿度調整・脳の冷却など、いくつもの大切な役割があります。日常的にお口で呼吸をしていると、こうした機能が十分に働かず、身体の成長や歯並びにも影響することがあります。
「お子さんも、お父さん・お母さんも、呼吸の仕方を意識してもらえると嬉しいです」——これは院長 上保がブログでも繰り返しお伝えしているテーマです。
「早ければ早いほどいい」とは限りません
日々、たくさんのご家族から子どもの矯正相談を受けていると、共通する "思い込み" に気づかされます。
● 「子どものうちに矯正しておけば、大人になってからの矯正は必要なくなる」
● 「便宜抜歯を避けるためには、早いうちから矯正を始めたほうがいい」
もちろん、子どもの時期にしかできない矯正治療は確かにあります。ただし、すべての症例で「早ければ早いほどいい」とは限らないのが実際のところです。
大切なのは、「なぜ今その治療が必要なのか」を、診断にもとづいてはっきりさせることです。
早めの治療が効果的なケース
たとえば 「反対咬合(受け口)」 のお子さんは、早期治療がとても重要です。可能であれば 5〜6歳のうちに相談 していただき、遅くとも 8歳までには治療を開始 するのが理想です。そうしなければ、将来的に外科手術が必要になる可能性が高くなるからです。
この時期の受け口治療では 「フェイスマスク(上顎前方牽引装置)」 という装置を使用します。毎日10時間程度、半年ほどの装着で徐々に改善していくため、親御さんとお子さんのご協力があってこそ成り立つ治療です。
📌 もし早期治療の時期を過ぎてしまっても
大人になってからの 外科矯正(顎変形症)は保険が適用 され、手術で骨格ごと調整することができます。費用も自己負担80〜90万円ほどで、仕上がりも良好ですので、必要以上に不安を感じる必要はありません。
「ガタガタの歯並び」を、安易に拡大床で広げない
近年特に多く感じるのが、「ガタガタの歯並びを指摘されて相談に来られる」 ケースです。前歯の凸凹が気になる気持ちはとてもよく分かります。
ただ、実はこの "ガタガタ" のうち、子供の矯正だけで本質的な改善が見込めるケースは全体の2割程度 なのです。
歯並びは 「歯の大きさ」と「歯を支える骨(顎)の大きさ」のバランス で決まっており、現在の歯列を単純に拡げても骨のサイズ自体は変わりません。
よく使用される 「拡大床」 という装置は、歯列のアーチを広げることはできますが、それは歯が外に傾いて広がっているだけであり、根本的に骨格が大きくなったわけではないのです。
⚠️ 拡大床のリスク
● 前歯のスペースを一時的に確保できても、後から生えてくる 犬歯や小臼歯のスペースが足りなくなる ことも
● 無理な拡大によって、犬歯の歯冠が隣の歯(側切歯)の根にぶつかり、歯根を吸収してしまうリスクも
● これは、その歯の 寿命に影響を及ぼす可能性 があります
拡大床は否定しません。けれど目的を見誤らないこと。
当院でも拡大床は使います。それは 上下の歯列幅にズレがある「交叉咬合」 や、成長にエラーが起きそうなケースに対してです。また「受け口」や「出っ歯」などが絡む場合には、拡大床が有効な症例もあります。
大切なのは「なぜこの装置を使うのか」という理由が明確であることです。「前歯がガタガタだから拡大床で広げましょう」だけでは、不十分なのです。
前歯のガタガタがあっても、将来的に本人が気にすることがなければ、矯正をしないという選択も尊重されるべきだと思います。逆に、見た目を気にして悩んでいるお子さんには、しっかりとした診断のうえで適切な治療をご提案しています。
📅 治療開始のタイミング(目安)
● 5〜6歳:受け口(反対咬合)の早期介入
● 6〜10歳:交叉咬合・上顎前突などへの対応
● 永久歯の生え揃う頃:本格矯正を検討
具体的な開始時期は、お子さまの発育状況により異なります。まずは無料カウンセリングで、お気軽にご相談ください。
まずは無料カウンセリングでご相談ください。
「治療が必要かどうかだけ知りたい」というご相談でも大丈夫です。
